- 中学生ってただでさえ思春期真っ只中で友達関係が大変なのに、チックがあるからなおさら心配
- チック症やトゥレット症をもってるうちの息子や娘はちゃんと友達できてるのかな
子供にチック症があると中学生になっても心配ですよね。
僕は3歳の頃からチック症があり32歳になった今も症状があります。チックのせいで悲しい思いや悔しい思いもしてきました。
この記事ではチックもちの中学生が友達ができるための工夫を、僕の中学生時代のチックの体験談を交えてお伝えします。
この記事を読むとあなたのお子さんが学校で友だちを作り、より充実した学校生活が送る方法が分かります。
チック症のある子供が友達を作るための工夫5選

まずはチックをもった子供が友達を作るために、親や本人ができる工夫をお伝えします。
チックの症状を自分の口で説明できるようにする
子供がこれから生きていくにあたって1番大切なのが、チック症の症状を自分の口で説明できるようになることです。
親子で一緒にチックの説明を練習してみてください。
しかし中学生ともなれば、なかなか乗り気になってくれないかもしれません。そんな時は親が子供の周りの人たちに、チック症について理解してもらうためのサポートをしましょう。
直接友達に説明するのも良いですが、子供さんが嫌がるかもしれません。

担任の先生を通じて、クラスの子供たちに説明してもらうといいでしょう。
チック症とは何かを説明し、差別やいじめを防ぐよう意識づけをしてもらいましょう。
親自身が子供のチック症状を理解する
子供にとって一番辛いのは、最も身近な存在である親にチックの症状を理解してもらえないことです。
- チック症とは何なのか
- どういう時に悪化しやすいのか
- チックの症状が日常生活へどう影響するのか
を親御さん自身で学び、理解していくようにしましょう。
僕の父はチックについて全く理解してくれませんでした。それどころかチックをからかったり、マネしたり、怒鳴られたりしました。
とても辛かったのを覚えています。
子供さんが安心して自分らしく過ごせる居場所を整えてあげると、のびのびできます。
たとえば医師や専門家の指導に従い、服薬やカウンセリングで定期的に治療します。
子供の好奇心や才能を育むための時間や環境も用意してあげるといいでしょう。図書館に通って興味のあることをとことん調べたり、習いごとを始めたり。



家族の積極的な関わりや支援が子供の自己肯定感を高めます。
ソーシャルスキルトレーニングをする
子供が他の人と良好な関係を築けるよう、コミュニケーションや交流のスキルを練習する支援を行いましょう。
- 会話の始め方と続け方を学ぶ
- 感情の表現方法を増やす
- 相手の話をよく聞く
- 礼儀正しい振る舞いをする
- 共通の興味を見つける
などの練習をしましょう。
会話や礼儀の練習をすることで、友人関係を築く基本的なスキルを身につけられます。ロールプレイをするとさまざまな状況に対処する練習になります。
会話のロールプレイなどのSST(ソーシャルスキルトレーニング)は専門家に手伝ってもらいましょう。



SSTは小中学生なら放課後等デイサービスや児童精神科などで受けられます。
短時間でも一緒に過ごせた体験を積み重ねる
友達づくりは一気に仲良くなるよりちょっとずつ慣れる方が続きやすいです。毎日少しずつ友達との距離を縮めていきましょう。
たとえば休み時間に少し話す、掃除当番が一緒になったときに少し手伝うなどです。
小さな接点が相手の子とは安心して過ごせるという気持ちにつながります。
「ありがとう」「ごめんね」を反復練習
チックがあると周囲から誤解されやすいことがあるため、関係を保つ一言が重要です。
軽いトラブルがあった後には「ごめんね」と言えるよう練習。
手伝ってもらったら「ありがとう」を自然に言えるようになる。
ありがとうもごめんねも言われて嫌な気持ちにはなりません。コミュニケーションにおいてクッションの役割になってくれます。
まずは身近な人へ言う練習から始めてみましょう。
中学生の時のチック
ここからは僕が中学生の時に、どんなチックの変化を辿ったのかご紹介します。
中学1年生の時のチック
運動チックは首振り、顔しかめ、口をとがらせる、つい手を触れてしまうチックがありました。
音声チックは「ウッ」、「アッ」がメインでした。
チックを初めて聞いたクラスメイトもいて、チックについて聞かれたときは「クセだよ」で通していました。
中学2年生の時のチック
運動チックは首振り、顔しかめ、口をとがらせる、つい手を触れてしまうチック。
音声チックは1年生の時と同じく「ウッ」、「アッ」がメインでした。
少しからかってくる輩もいましたが、大きな問題やイジメなどはありませんでした。



小学校の頃から僕を知ってくれてる友人が多かったため、わざとやっているんじゃないと分かっていてくれてたのかもしれません。
中学3年生の時のチック
運動チックは首振り、顔しかめ、口をとがらせる、つい手を触れてしまうチックがありました。
音声チックは「ウッ」、「アッ」に加え、「クサッ」というのが出るようになりました。声のボリュームも相当大きかったです。



音声チックのピークはこの中学3年生の頃でした。
受験のストレスがチックを悪化させる一番の要因だったと感じてます。
良い友人関係に恵まれたこともあり、中学校ではイジメや大きな問題はなく過ごせました。
ただ技術の先生から「大丈夫か!?」と大きな声で聞かれたときは、とても恥ずかしい気持ちになりました。
チックに加え中3からは強迫症状が始まります。
自分の持ち物を決まった形で筆箱やカバンに入れたくなったりしていました。
この強迫症状が悪化したせいで、後の高校生活で苦しむことになります。
»高校生のチック症体験談
チック症の治療とサポート方法


チック症やトゥレット症には医療的アプローチと学校でのサポートが必要です。
まずは医療的アプローチについてです。
チック症の中学生には児童精神科での正確な診断と、必要に応じた薬物療法や心理療法が重要です。
「ハビットリバーサル」という行動療法は、チックがおこる前のムズムズ感に気づき、だしたいチックの代わりになる行動をとる方法です。
本人のストレスや不安がチックを悪化させるため、心理士によるカウンセリング、SST(ソーシャルスキルトレーニング)での対人スキル強化も効果的。
外来での定期的なサポートが自己理解と対処力を育み、安心して学校生活を送る土台を整えてくれます。
僕は3歳からチック症がありますが、精神科に通院し始めたのは21歳のときです。



もっと早く病院にかかれたなら、もう少し生きやすかったのかなと感じます。
次に学校でのサポートについてです。
学校では本人が安心できる環境づくりが大切です。周りの環境しだいでチック症当事者が生きやすくも生きづらくもなります。
静かな場面でチックが目立ちやすいときには、座席の配慮や一時的な別室対応を認めるなどの対応が効果的です。
本人の希望を尊重しつつ、担任の先生やクラスメイトに対して「チックへの理解」を促すことも重要です。
僕の経験ではクラスメイトに自分のチックの説明をちゃんとすると、からかいなどなく安心して学校生活を送れます。
定期的なカウンセリングや個別SSTを通じて、自分の気持ちや困りごとを言葉で伝える練習を重ねることで、人間関係の自信をつけられます。
自己肯定感の育て方


自己肯定感が高いことは生きていく上でとてもとても大切です。
多少能力が低かろうが自己肯定感さえしっかりあれば、社会で堂々と生きていくことができます。
自己肯定感を育むために成功体験を積ませてあげましょう。
僕はスポーツが得意じゃありませんでした。小学校では野球部でしたが補欠、中学校では水泳部でしたがタイムは遅くリレーの代表に選ばれない。部活動では自己肯定感を育めませんでした。
一方勉強は得意な方だったため、学業で自信を得ていました。しかし高校が進学校だったため、授業が難しくついていけずに自信が打ち砕かれました。
子供さんが好きなことや得意なことに集中できる環境を整えてあげましょう。



これならクラスで1番だぞというものができると、自分に自信が湧いてきます。
好きな教科をとことん勉強してみる、いろんなスポーツをしてみて人より上手くできそうなものを探してみる、熱中できるものを見つける。
何でもいいので成功体験をたくさん積ませてあげましょう。
まとめ
- チック症もちの中学生が友達を作るための工夫
- 僕の中学生時代のチックの経過
- チック症の治療とサポート
- 自己肯定感の育て方
をお伝えしてきました。
チックの問題、友人関係の問題、学業の問題、親として気になることは尽きないことだと思います。
この記事が、あなたの子供さんが楽に生きるためのヒントになってくださると嬉しいです。
あなたのお子さんは1人ではありません。周りの支援をフル活用していきましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました!