- 高校生の子供にチックがあるから安心して高校生活を送れているか心配
- 周りに頼れる人がいない
- クラスに友達がいるか心配
あなたはチック症をもつお子さんに対して、こんな悩みをもってこの記事を読みに来てくれたのではないでしょうか?
この記事では高校生が友達をつくって充実した学校生活を送る方法をお伝えします。
僕自身が経験したチックの症状や困りごとや親ができる支援についてもお伝えするので、子供さんへの支援の参考にしてください。
高校生が友達をつくる方法

まず高校生が友達をつくる方法をお伝えします。
チック症をもつ人は自分のチック症について理解し、受け入れることが大切です。

自分が普通と違うと感じてしまうことがあっても、自分を否定せずに受け入れましょう。
自分の口でチックの症状を説明する練習もしましょう。



「勝手に声が出たり体が動いたりするんだ。わざとやってるわけじゃないんだよね。」
また友達を作るためにはコミュニケーション能力が重要です。
コミュニケーション能力があると誤解やトラブルが減り、信頼関係を築きやすくなるからです。
相手の話に共感したり適度にリアクションを返したりすることで関係が深まる
たとえば学校で同じ趣味の子がいた時、「それ僕も好き!」と笑顔で話しかけると、共通点をきっかけに仲良くなれます。
相手が悩んでいるときには「大丈夫?」と声をかけたり、話を最後まで聞いてうなずくなどの行動も信頼を築けます。
- 相手に興味をもつ
- 相手の話をよく聞く
- 笑顔で話す
など相手が話していて楽しくなるようなコミュニケーションを心がけましょう。
ひとつずつでいいので練習してみてください。
もし失敗してもあきらめないで大丈夫です。
慣れないことは最初は失敗します。何回もやってみる内に成功するようになっていきます。
学校や地域のサポートグループやカウンセラーに相談することで、チック症や社交的な困難についてのアドバイスをもらうことができます。
トゥレット症候群は発達障害の1つです。不注意や社会的コミュニケーションの困難など、発達特性をもっている人も少なくありません。
トゥレット症とADHD・ASDの合併に関して以下のリンクから詳細が見られます。
トゥレット障害を含むチック障害 金生由紀子(発達障害者支援関係報告会)
高校生のチック症の変化と悩み【筆者の実体験】
ここからは僕が高校生の頃にチック症がどう変化したのか、悩んでいたことはどんなことだったのかをお伝えします。
高校1年生の時のチック
ここからは、僕が高校生の時に出ていたチックの変化と悩みをお伝えします。
1年生のときの運動チックは体の震え、首振り、顔しかめがありました。
音声チックは「ウッ」、「アッ」、「クサッ」と言ってしまう症状がありましたが、ボリュームはあまり出ないように意識していました。
高校生のときのチックは運動チックの症状が明らかに強かったです。



中学3年生の時に音声チックが酷く、高校でクラスメイトに変なやつと思われないために、できる限り声が出ないように我慢していました。
音声チックを我慢した反動か運動チックが悪化しました。悲しいことです。
体が突然ブルッと震えるチックはかなり目立ち、クラスメイトがマネしているところや、陰口、からかいなどがありました。
マネされていたり陰口を言われていたりするのを目撃するたびに、顔が熱くなってとても恥ずかしく逃げ出したい気持ちになっていました。
クラスメイトだけじゃなく、模試で近くの席になった他校の生徒からも「マジでうるせぇ」と陰口をたたかれたのを覚えています。
また高校1年生からは強迫症状もだんだん強くなってきました。
プリントを何回も触ったり、教科書を何回もバッグになおしたり出したりする症状などがありました。
チック症や強迫症状、コミュニケーションの苦手さも重なってクラスメイトと打ちとけることがなかなか難しかったです。
高校生のとき、困っていたことを相談できる場所があればすごく楽だったと思います。



チックを我慢してもいいことは何一つありません。チックは無理に我慢せずにありのまま過ごす方が良いです。
高校2年生のときのチック
運動チックは体の震え、腕のビクつきがメインでした。
音声チックは「ウッ」、「アッ」と出ていました。
強迫症状もだんだんと強くなっていき、何十分もフリーズすることも多くなってきました。
抑うつ症状も出てき始めて、身だしなみを整えるのが難しくなってきました。
ロッカーにはプリントを整理できずに大量に溜め込んでいました。
勉強の方も身が入らず、追試になりました。
学校生活が苦しくなってきたのが2年生からでした。
高校3年生の時のチック
運動チックは体の震え、腕のビクつきがメインでした。
音声チックは「ウッ」、「アッ」がメイン。
この時期に受験のストレスで強迫症状がかなり酷くなりました。
家でも学校でも何時間も同じ考えが頭をぐるぐるめぐり、繰り返し同じ動作をしていました。
その場で固まって何時間も動かないこともしょっちゅうでした。
僕のように固まってしまったり周りからはとてもゆっくり動いているように見える強迫性緩慢については、以下のサイトで詳しく解説してありました。
周りからどう思われるかまで頭が回りませんでした。
とても辛い時期だったため、高校3年生の頃には絶対に戻りたくありません。



高校では精神科にはかかりませんでした。自分が病気だと認めたくなかったのです。
大学にはなんとか合格しました。しかし、大学でも強い強迫症状に苦しめられます。
»チック症の大学生の困りごと
高校生のチックの悩み


高校生は多感なため自分のチックの症状をとても気にしがちです。勝手に出る声や動きを恥ずかしいと思うこともしばしば。
周りの生徒も「普通であること」「集団に受け入れられること」に強い不安があります。
普通とは異なる特徴をもつ人の存在が、無意識に自分たちの不安定さを刺激してしまい、普通と異なる人を排除しがちです。



チック症という目立つ特性をもった子はクラスで浮いてしまうことも多いです。
高校生は社会性が未熟で、人と人の違いを理解して受け入れる能力がしっかり発達していないことも、周りと違う人を排除してしまう理由の1つです。
思春期は「みんなと同じでいたい」という同調圧力が特に強まる時期です。
少しでも違う言動や見た目をもつ人がいると、自分たちとの違いに不安や戸惑いをもち、距離を置いたり排除したりしてしまいます。
チック症のように本人の意思に関係なく起こる症状は、理解が足りないと「変だ」と誤解されやすく、からかいやいじめの対象になりがちです。
これは無知や教育不足によるもので、知識や共感力を育てることで変えていけます。
実際に僕は高校に入学したばかりの頃、なかなか仲の良い友達がつくれませんでした。話しかけても無視されたりチックをからかわれたりしたこともありました。
友人をなかなかつくれなかったのはチックだけが原因ではないかもしれません。
ですがチックの症状は友人関係の形成に大きく影響していたと感じます。
チック症をもつ高校生の親ができるサポート
チック症をもつ高校生の親御さんは、本人が過ごしやすくなるようなサポートをしてあげてください。
チックを無理に止めさせようとせず、「出ても大丈夫だよ」という姿勢を見せてあげてください。
学校生活で困っていることがあれば、本人の気持ちを尊重しつつ担任やスクールカウンセラーと連携し、休憩の許可や発表の免除などの配慮を求めるといいでしょう。
ストレスがチックを悪化させるため、家ではリラックスできる時間や趣味に集中できる環境を整えるとよいでしょう。



「チックがあってもあなたは大切な存在だよ」と言葉や態度で伝えることが、子供さんの自己肯定感を育みます。
チック症やトゥレット症をもつ人は、不注意やコミュニケーションの苦手さなどADHDやASDに見られる発達特性をもつことが多いです。これは脳の発達や神経伝達の働きに、共通する特徴があるためと考えられています。
発達特性をもつ人は自分の将来について想像するのが苦手な傾向があります。
進学や就職について考えても現実離れしがちです。僕も俳優になりたいとずっと思っていました。
進路についてご両親がある程度サポートされるといいでしょう。
具体的には、今できていることや好きなことを一緒に振り返り、将来の選択肢を言語化してあげることが大切です。
例えば「パソコンが得意ならIT系の〇〇という仕事もあるよ」といったように、興味と進路を結びつける支援が有効です。



進学や就職の場面では、学校の先生や障がい者就業・生活支援センター、障害者職業センターなどのキャリア支援機関と連携しましょう。
本人が混乱しないように少しずつ情報を整理して伝えることが重要です。
焦らずに本人のペースを尊重すると、子供さんから信頼されます。
学校への配慮の求め方


学校へチック症に対する配慮をもらうにあたり、事前にお子さんとしっかり話し合いましょう。
- どんな場面でチックが出やすいか
- 学校生活で困っていることは何か
- どんな配慮があれば助かるか
を具体的に聞き取ります。本人の考えを尊重し、一緒に配慮内容を考えることが大切です。
チック症のお子さんのことで学校に配慮を求める際は、「子どもの困りごとを正しく理解し、学校と協力的な関係を築く」ことが重要です。
まずは親自身がチック症の特性について理解を深めましょう。



チックは本人の意思でコントロールできるものではなく、緊張や不安によって悪化することがあります。無理に止めさせようとしたり、注意することは逆効果になります。
学校へは冷静で具体的に配慮してほしいことを伝えましょう。
例えば、
- 「授業中にチックが出ても注意されたり笑われたりしないよう配慮してほしい」
- 「発表や人前での活動に強いストレスがあるため、無理に参加させず代替手段を設けてほしい」
- 「チックがひどくなったら保健室で休めるようにする」
など実際に困っている場面とその対応を簡潔に伝えます。
この時に医師の診断書や意見書があると学校側も理解しやすく、配慮の根拠として受け入れやすくなります。
配慮を求める目的は特別扱いを求めることではなく、子どもが安心して学校生活を送れるようにすることです。
ですから学校と対立するのではなく、「どうすれば本人が学びやすくなるか」を一緒に考える姿勢でいることが大切です。
本人には「困ったら相談していいんだよ」「無理にがんばらなくていいよ」と伝え、家庭で安心して過ごせるようにしておくことも学校での適応に大きく影響します。
学校との連携の仕方
チック症のある高校生を支えるためには、親と学校が連携し、本人にとって安心できる環境を整えることが重要です。
学校との面談では担任の先生だけでなく、養護教諭や保健室の先生、スクールカウンセラーとも情報を共有し、具体的な配慮内容を話し合うのが効果的です。
チック症の特性や現在の状況、医師からの所見を共有し、学校生活での具体的な困りごとを伝えてください。



連携のポイントは定期的な情報共有の仕組みをつくることです。連絡帳やメール、定期面談などで、学校でのお子さんの様子や家庭での状況を双方向で伝え合いましょう。
子どもの変化や困りごとを日頃から記録し、学校と定期的に共有することで支援の質が高まります。
親と学校が協力し、お子さんの気持ちによりそいながら支援する姿が、本人の安心感と自信につながる。
まとめ
今回は記事を書いていて当時の辛い気持ちが蘇ってきました。もう二度と戻りたくありません。
この記事を読んでくださっているあなたのお子さんも、学校で辛い体験をたくさんしてきたことだろうと思います。
必ず理解してくれる人は現れるので、気もちに余裕をもって子供さんを見守ってあげてください。
僕の体験があなたの生活を少しでも楽にできましたら幸いです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。