- チックがあるからって恋愛をあきらめたくない!
- 自分にはチック症があるけどチックの心配をせずに恋愛するには?
- 恋人からチックについて聞かれたらなんて説明しよう?
チック症の人が恋愛をする時には、このような悩みがついて回りますよね。
僕は3歳のときから29年間チック症があり、今は妻と5人の子供がいます。
そんな僕がこの記事では、
- チックがある人が恋愛で困りがちなこと
- チック症の人は恋愛対象に入るか
- 他人から見たときのチック症について
- 恋愛での自己肯定感の高め方
を解説します。
あなたにチックがあることで生じる恋愛の悩みを解決するお手伝いをさせて下さい。
チック症がある人が恋愛で困ることと対策

チック症がある場合に恋愛で困ることは次の5つです。
- チックの症状のせいで恋愛に発展しないことへの不安
- コミュニケーション面での不安
- 社交場面での気まずさ
- 付き合えてもチックが出て嫌われることへの不安
- 日常生活の不自由さ
順に見ていきましょう。
チックの症状のせいで恋愛に発展しないことへの不安

結論からいうと、チックの症状があっても恋愛関係になることは可能です。
理由は恋愛において本当に大切なのは外見や症状ではなく、相手の内面を理解し、尊重し、お互いを支え合う気もちだからです。



チックの症状を理解し、受け入れてくれる人は必ずいます。
チックについて正直に話すことで、より深い信頼関係を築くことができます。
チックの症状を理解してくれる人は必ずいる。この事実を知っておくだけでも異性と接する自信につながります。
コミュニケーション面での不安
チックの症状は突然現れますよね。
奇声を発する、体を無意識に動かすなどの行動は、異性とのコミュニケーションを難しくします。
挙動不審だなと相手に誤解を与えたり、危ない人なのかなと不安を与えたりすることがあります。
特に初めてのデートや重要な会話の場面で症状が出ると、相手はこちらのチック症状の意味や背景を理解しにくく、距離感が生まれることもあるでしょう。



説明するときのコツはあまり重たい雰囲気を出さず、軽く伝えることです。
「僕にはチックっていう症状があって、話してる最中に体が動いたり声が出たりするんですよね。気になったらごめんなさい。」
こんな感じで事前に症状を伝えておくと相手に誤解されずに済みます。
デートでの気まずさ
チック症状が強い場合、外出先で奇声や体の動きが目立つことがあります。
チックが周りの人の注意を引き、恋人とのデートで気まずくなることがあります。
人が多い場所や注目されやすい状況では相手や自分自身が緊張してしまって、楽しい時間を過ごすことが難しくなりがちです。
デート中の気まずさへの対策も、デート前に相手へチック症について改めて話しておくことです。
お互いの理解を深めることが、デート中の安心感につながります。
チックが出ても自分を責めないことが大切です。
チックの症状はコントロールしづらいです。症状が出ても全く恥ずかしいと思わなくていいんです。
無理に抑えようとするとストレスが増えて、逆に症状が強まります。
付き合えてもチックが出て嫌われることへの不安
チック症があると「せっかく付き合えても、症状のせいで嫌われたらどうしよう」と不安になりますよね。
しかしこの不安は多くの人がもつもので、決して珍しくありません。
大切なのは、嫌われたらどうしようという不安にどう向き合い、どう対策をするかです。
大切なのは相手へ対するオープンなコミュニケーションです。
早い段階でカミングアウトし、チックは自分の個性の一部だ、という姿勢で伝えましょう。
最初は相手も戸惑いを感じるかもしれません。
あなたもその反応を否定せず、じっくりと耳を傾け、相手の不安を解消するつもりで接しましょう。
日常生活の不自由さ
チック症は日常生活にも影響があります。
例えば特定の動作や言葉の反復、特定の場面での発声などが、恋人との時間を過ごす上で気になるかもしれません。
一緒に過ごす時間や活動に影響を与えることもあるでしょう。
そんなときは次のような対策が役に立ちます。
1つは活動内容を工夫すること
人が多い場所が苦手なら恋人にお願いして、自宅でのんびりする時間を増やしたり、自然が多い場所や静かなカフェを選んだりしましょう。
お互いにリラックスして過ごせる環境づくりが大切です。
もう1つは症状が強くでたときの対応策を用意しておくこと
症状が出たら少し休憩する、場所を変えるなど、具体的な行動を事前に決めておくと、チックの症状が出たときに慌てずに済みます。
症状が強く出たときに恋人からどう接してほしいか(そっと手を握ってほしい、何も言わず見守ってほしい)を具体的に伝えておくと、恋人も戸惑わずに対応できます。



僕の妻は僕の症状が強いときに、大丈夫?と声かけをしてくれます。
チック症の人でも素敵な恋ができる


チック症があっても誰もが素敵な恋をすることができます。
チック症がある人の恋愛を想像すると、「特別なのかな?」「恋愛って難しいのかな?」って思うかもしれません。
でも心配いりません。チック症があっても恋愛できます。
理由は恋愛で本当に大切なのは、見た目や症状じゃないからです。
恋愛って相手のどんなところを好きになると思いますか?
顔がカッコいいとかかわいいとか、もちろん最初はそういうのも大事かもしれないけど、それだけじゃないですよね。
一緒にいて楽しいとか話が合うとか、優しいとか、自分を理解してくれるとか、そういう「内面」や「相性」がすごく大切です。
チック症はあなたの一部ではあるけれど、あなたの全てではありません。
あなたの優しい心や面白い個性、一緒にいるとホッとするところ、そういう魅力はチック症とは関係なく輝いています。
僕の例でいうと、今の妻とは22歳のときに出会いました。
何回かデートを重ねて付き合ったのですが、付き合う前にチック症のことは話していませんでした。
デート中、運動チックも音声チックも普段以上に出ていたと思います。
付き合って数週間経ったころ、妻(当時の彼女)から「それって癖?」と聞かれました。



僕はチックについての自己開示に慣れていないのと、気まずさから十分な説明ができませんでした。
それからまた数週間経ったあと、妻に再び聞かれたときにチック症の話をしました。
それまで黙っていた僕に対し、妻は「付き合ってるんだから言ってよ」と言われる始末。
チックのことを話しても、妻はそれまでと変わらず僕と接してくれました。
結婚してしばらくして聞いたのですが、最初は僕のチックが出ると周りの目が気になっていたらしいです。
しかし、僕の症状が病気のせいだと知り、気にならなくなったそうです。
今では周りへのチック症の説明も積極的に手伝ってくれるので、本当に助かっています。
「そのチック、〇〇(キャラクター)のセリフのやつでしょ」と、チック症のことを積極的に話題に出してくれたりもします。
妻は僕の1番の理解者です。本当に感謝してもしきれません。
あなたの友達や恋人も、あなたの内面やあなたといる時間の楽しさを大切に思ってくれるはずです。
チック症はあなたの魅力や価値を少しも減らすものではありません。
チックはあなたの魅力を減らすどころか、他の人にはない個性的な魅力にさえなり得ます。
ですからチック症があっても素敵な恋愛はきっとできます。
大切なのは”自分らしくいること”、”相手に正直に話すこと”です。
もしチック症のことを話しても受け入れてくれる人なら、その人はあなたのことを心から大切にしてくれる、最高のパートナーになる可能性があります。
不安に思う気持ちはよく分かります。
でも自信を持って、自分らしい恋愛を楽しんでくださいね!
他人から見てチックが気になるかは症状の種類や頻度で異なる


あなたのチックの症状は他人から見てどのくらい気になるのでしょうか?
チック症を知らない人がチックの症状を見たとき、その”気になる度”は症状の種類や頻度、大きさ、そして見る人の経験や性格によって大きく変わります。



例えば、まばたきのチックならあまり目立ちにくいため気になりにくい、体全体を震わせるチックなら目立ちやすく気になりやすい、といった感じです。
当たり前ですが、全く気にしない人もいれば、反対に悪口や陰口をいってくる人もいるでしょう。
もしかしたらあなたも今までの経験から感じていることかもしれません。
一概には言えませんが、一般的には次のような反応が考えられます。
比較的軽いチック(目の瞬き、咳払い、軽い鼻すすりなど)の場合、多くの人は「ちょっと変わった癖かな?」「花粉症かな?」といった程度に感じます。
特に意識して見なければほとんど気づかないこともあります。
たいてい強い感情を抱くことはなく、すぐに相手の意識から消えるでしょう。
少し目立つチック(首を振る、体が震える、特徴的な発声など)の場合、見る人は「あの人、どうしたんだろう?」といった疑問や戸惑いを感じることがあります。
障害について知識がないと、単に「変な行動」「不審な動き」と捉えてしまう可能性があります。
人によっては警戒したり、避けてしまったりすることもあるでしょう。
非常に強く頻繁に出るチックや、社会的に受け入れられにくい奇声、あるいは非常に稀ですが他人への接近を伴うようなチックの場合、見る人に不安や不快感を与えてしまう事が多いです。
特に、急に大きな音を出したり、予測できない動きをしたりすると、驚いてしまう人もいるでしょう。



多くの人は他人の行動に対してそこまで深く意識を向け続けません。
最初は少し気になったとしても、時間が経てば慣れたり他のことに注意が向いたりします。
チックについて説明されると、「そういう症状なんだ」と理解し、気にしなくなる人は多いです。
大切なのはチックの症状は特性であり、周りの反応はあなた自身への評価じゃないと理解することです。
正しい知識が広まることで、社会全体の理解も深まっていくでしょう。
僕は以前YouTubeで、チック症の当事者の方がテレビの取材を受けている動画を観ました。
その方は自分が訪れた先で、積極的に周りの人たちへチック症のことを、簡単に説明して周っていました。説明の最後には「ごめんなさいね」と謝罪の言葉を添えて。
初めてみたときは衝撃が走りました。
今までそういう人を見たことがなかったからです。



”チック症はこういう症状があるんだ”と事前の知識があれば、差別されたり偏見をもたれたりすることは激減します。
その当事者の方のように、僕も他の人へ積極的に説明できたらなと思います。
チック症をもつ人が恋愛で自己肯定感を高める方法2選


チック症をもつ人が恋人との恋愛で自己肯定感を高める方法を2つお伝えします。
- 自分を知って大好きになる
- 小さな「できた!」を積み重ねる
順番に見ていきましょう。
自分を知って大好きになる
自分のことをよく知って、「チックがある自分」を丸ごと好きになることが大切です。
ときには「チックがあるから、嫌われちゃうかも…」って思ったり、「どうして自分だけ?」って悲しくなったりすることもあるかもしれません。
自分のことをよく知らないままだと、周りからの視線が恐怖でしかありません。
「誰かに変だと思われたらどうしよう…」ってドキドキしたり、不安になったりしちゃいますよね。
でも自分がどんな時にチックが出やすいか、どうすれば少し楽になるかなどを知っていると、心に余裕ができます。



心に余裕ができると、”チックがある自分”もかけがえのない大切な自分なんだって、認めてあげられるようになります。
僕は学生のときに、チックが出ない体になりたいなとずっと思っていました。
でも妻と出会って、チックを肯定してもらえるようになってからは、チックが出る自分も悪くないなと思うようになりました。
小さな「できた!」を積み重ねる
小さな成功体験をたくさん積み重ねることで、自分に自信がつき自己肯定感が高まります。
最初から大きな目標を立てる必要はありません。「完璧にしなきゃ!」って思わなくて大丈夫です。
なぜなら成功体験は、小さくても自分を信じる力を強くしてくれるからです。
「できた!」という経験は心に栄養を与えてくれます。
少しずつでも”できた”が増えていくと、自分を肯定する気持ちがどんどん大きくなります。
自分を肯定できると恋愛でも自分から一歩踏み出したり、相手に気持ちを伝えたりする勇気が出たりします。
相手の目を見て話せた
異性と10分会話が続いた
こんな小さな”できた”でいいんです。
もし途中でチックが出てしまっても、「あ、出ちゃったな」って客観的に見て、気にしすぎないようにしましょう。
大切なのはチャレンジしたという事実
小さな”できた”が「自分なら大丈夫!」という強い自信に変わり、恋愛でももっと自分らしく輝けるようになります。
まとめ
チック症がない人でも恋愛での悩みはつきものです。
チック症がある人ならなおさら悩みは尽きないことでしょう。
この記事でお伝えしたことを頭の隅に置いておくだけでも、異性との関係が楽しいものになるはずです。
あなたの恋愛がワクワク楽しいものになることを心より願っています。
ここまで読んでくださってありがとうございました!