就労移行支援って、どんなスキルが身につくの?
そう疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、就労移行支援で学べることは”仕事のスキル”だけではありません。
生活リズムの立て直しから、ビジネスマナー、履歴書などの添削、面接対策など幅広いサポートが受けられます。
この記事では就労移行支援で実際に身につくスキルを7つに分けて、具体的に紹介します。
就労移行支援とは?基本をおさらいしよう
就労移行支援とは障害や難病のある方が一般就職を目指すための福祉サービスです。
はる就労移行支援は最大2年間利用でき、世帯収入に応じて自己負担が決まります。
非課税世帯などでは無料になるケースが多いです。場合によっては1年間の延長が認められることもあります。
ポイントは”ただ就職のための勉強をする場所ではない”ということ。
就労移行支援の本来の目的は、仕事を続けるための土台を一緒に作っていくことです。
スキルを学ぶ前に知っておきたい「職業準備性ピラミッド」


就労移行支援では、職業準備性ピラミッドという考え方が基本になっています。
職業準備性ピラミッドは働くために必要な力を、次のように5つの段階に分けたものです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 第5層(頂上) | 職業適性(具体的な業務スキル) |
| 第4層 | 基本的な労働習慣(挨拶・マナーなど) |
| 第3層 | 対人スキル(コミュニケーション) |
| 第2層 | 日常生活管理(生活リズム・体力) |
| 第1層(土台) | 健康管理(体調・服薬の自己管理) |



下の層が不安定だと上のスキルをいくら磨いても長続きしないというのが、職業準備性ピラミッドの考え方です。
たとえばプログラミングを習得しても、生活リズムが乱れていて通勤できなければ意味がありません。
就労移行支援では、土台から順番に整えていきます。
就労移行支援で身につく7つのスキル
就労移行支援では以下の7つのスキルが身につきます。
- 健康・生活管理
- 自己理解・メンタルケア
- コミュニケーション・対人スキル
- ビジネスマナー
- PCスキル(Word・Excel・PowerPoint)
- IT・プログラミング
- 就職活動のスキル
健康・生活管理
まず取り組むのが、毎日の生活を安定させること。
- 食事や睡眠などの生活リズムを整える
- 薬の飲み方や体調変化に気づく力を育てる
- お金の管理など、日常生活のルーティンをつくる
「働けないのではなく、ペースが崩れていただけだった」と気づき、生活を立て直すことで就職につながった方もいます。
自己理解・メンタルケア
自分の特性を正しく理解することも重要なスキルのひとつです。
特性を理解するために以下のような方法があります。
- マインドフルネスやストレスへの対処法を学ぶ
- 認知行動療法的なアプローチで考え方のクセを知る
- 「ナビゲーションブック」(自分の特性や必要な配慮をまとめた説明書)を作成する



自分に合った働き方を言葉にできるようになると、就職先とのミスマッチが減ります。
コミュニケーション・対人スキル
職場での人間関係に不安を感じている方は多いです。
就労移行支援では安心できる環境で、少しずつコミュニケーションの練習ができます。
SST(ソーシャルスキル・トレーニング)では、断り方・質問の仕方・報連相のタイミングなどを練習します。
グループワークや模擬会議を通じて、協調性も養えます。
「ASD傾向があって対人不安が強かったが、訓練を通じて苦手なシーンへの対処法を身につけた」という声もあります。



僕自身もASDと社交不安症があるため、対人の仕事や雑談がとても苦痛です。
でも1歩踏み出してみようと、就労移行支援の訓練に参加しています。
ビジネスマナー
社会人として最低限知っておきたいマナーも丁寧に教えてもらえます。
- 挨拶・身だしなみ
- 電話応対
- 名刺交換のやり方
- ビジネス敬語の使い方
「常識だから当然知っているはず」と思われがちなことも、改めて学べる機会があるのは安心感につながりますよね。
僕は新卒で就職できず研修を受けたことがないため、移行支援のビジネスマナーの訓練はとても魅力的でした。
PCスキル(Word・Excel・PowerPoint)
事務職を目指す方に特に人気のカリキュラムです。
企業が「基本的なPCスキル」として求めるレベルは以下が目安になります。
- Word:図表を含む文書の作成・レイアウト調整
- Excel:SUM・AVERAGEなどの関数の活用、グラフ作成
- PowerPoint:プレゼン資料の構成、画像の挿入・加工
資格取得のサポートも充実しています。MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)や日商簿記などの取得を目指せる事業所もあります。



僕が体験した事業所ではユーキャンを使った資格取得をサポートしてくれていました。
IT・プログラミング
IT特化型の事業所では本格的なプログラミングまで学べます。
学べる主な言語・技術の例
- Python(需要の高い言語の1つ)
- JavaScript(Web系開発で定番)
- Webデザイン(HTML/CSS)
- データ分析・機械学習の基礎
2年間で「即戦力エンジニア」になるのは難しいですが、「未経験でなくする」ことは十分可能です。
GitHubにポートフォリオを作成して採用につなげた方もいます。
就職活動のスキル
最後に実際の就活に向けた実践的なサポートについて触れます。
就労移行支援では以下のサポートを受けることができます。
- 自己分析と適職探し
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 模擬面接(繰り返し練習できる)
- 実際の企業でのインターンシップ(実習)
模擬面接は繰り返し練習できる事業所が多いため、本番前に自信をつけることができます。
成長できる人の3つの共通点
就労移行支援をうまく活用して就職・定着につなげた方には、共通するパターンがあります。
小さな「できた」を積み重ねる:
大きな目標より、毎日の小さな成功体験を大切にしている
無理のないペースで続ける:
週2〜3日から始めて、体調に合わせて通所日数を増やしていく
支援員にこまめに相談する:
悩みを一人で抱え込まず、すぐに相談できる関係を作っている
3つのコツを意識して就労・定着を目指しましょう。
事業所選びで失敗しないチェックポイント
事業所選びで失敗しないためにはいくつかのコツがあります。
IT・専門スキルを重視する場合と、生活の立て直しから始めたい場合で解説します。
IT・専門スキルを重視する場合
事業所の訓練カリキュラムが具体的かを確認しましょう。たとえばプログラミング言語はなにか、週の訓練時間は何時間か、使用教材はなにを使うかなどです。
支援員に元エンジニアなど専門知識のある人がいるかも確認したいです。



エンジニアや事務などの希望職種への就職実績と定着率も聞きましょう。
生活の立て直しから始めたい場合
自分の障害への専門的な配慮があるかは要確認です。
生活管理やメンタルケアのプログラムが体系化されているかも確認しましょう。



特にメンタル管理は重要で、就職したときに長く働き続けられるかに直結します。
主な事業所の比較
就労移行支援の例として下記の3つの事業所を比較してみました。
事業所はあなたが住んでいる地域によって数も質も異なるため、「地域名+就労移行支援」のワードでweb検索してみてください。
| 事業所名 | 主な学習内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| Neuro Dive | Python、SQL、AI活用、データ分析、業務効率化 | 先端IT・データ活用に特化 |
| ミラトレ | 擬似就労、自己理解、ビジネスマナー、就活支援 | “職業準備性”という公的な枠組みを軸にプログラムを設計している |
| LITALICOワークス | 幅広い職種対応、就活支援、基礎的ビジネススキル | 全国150拠点以上で地域カバーが広い |
自分にあった事業所が見つかるよう、複数の事業所を見学しましょう。
まとめ:就労移行支援は「仕事を続ける力」を育てる場所
就労移行支援で身につくスキルをまとめると、以下の7つになります。
1.健康・生活管理
2.自己理解・メンタルケア
3.コミュニケーション・対人スキル
4.ビジネスマナー
5.PCスキル(Word・Excel・PowerPoint)
6.IT・プログラミング
7.就職活動のスキル
大切なのはこれらを面接に向けて詰め込むのではなく、自分のペースで少しずつ積み上げていくことです。
就労移行支援はハローワークや障害者就職エージェントなど他の機関と組み合わせることで、さらに活かすことができます。
まずは見学だけでもしてみることで、自分に合った事業所か確かめられます。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!





